物忘れ早期発見

物忘れの中でもっとも問題となるアルツハイマー病の早期発見は難しい。
CT、MRIは記憶の神経細胞が大きくこわれてしまった時点で異常としてでる。
すでにCT、MRIで異常が出てしまっていると、治療はむずかしくなる。

PETに期待がかけられているが、今のPETではっきりわかるのは障害範囲が
広がった進行症例が主であり、早期発見率はせいぜい10%ほどという説もある。
CT、MRIは脳の形態、PETは代謝、みているものが違うが、PETでわかるものは
高額なPETまでしなくてもだいたいはCT、MRIでもわかってしまうという考えもある。

アルツハイマー病の確定診断は「老人斑」というものを検出することだが、
これは顕微鏡画像レベルの微小なものだ。
最新型のPETでも最高空間分解能は0.7mmであり、顕微鏡画像レベルの微小病変は特定できない。

現時点ではアルツハイマー病予備軍の発見は臨床症状、心理学検査がもっとも
有用で、その上での早期投薬開始に躊躇しないことなのかもしれない。