ビーフステーキ・パイ

19世紀〜20世紀初頭、エスプリに富んだ作品を残した
イギリスの作家 ジェローム・K.ジェローム(Jerome K. Jerome,
1859〜1927)の著書は今読んでも抱腹絶倒の名作だ。
代表作「ボートの三人男」(1889年刊行)は
丸谷才一氏の翻訳で中公文庫で容易に入手できる。
http://books.rakuten.co.jp/rb/6384591/
英国特有の食べ物の記述が楽しい。なかんずく興味を惹いたのは
ビーフステーキ・パイだ。当時、日本でお目にかかれなかった。
旧 英国領カナダのバンクーバーに学会で行った際、
フェリー乗り場のカフェのメニューにビーフステーキ・パイが
あった。迷わず注文した。角切りの焼いた牛肉が入ったパイだが、
なんとも形容しがたい味付けで、木の枝(たぶんハーブ)が
入っていて、完食するのに手こずった。古書に記載のある
明治時代の日本人が初めて本場の西洋料理を食した時の感想
と同じものを感じた。西洋料理が日本人の舌に合わせた洋食に
なったのと同じように、グルメの現代はもしかしたら日本人
向けにアレンジしたビーフステーキ・パイがあるかもしれない。

医療法人雄翔会 いまむら脳神経クリニック
http://www5.synapse.ne.jp/ytpage/

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