酸素は両刃の剣
ヒトは酸素がないと生きていけない。その一方、酸素がラジカル化されると
活性酸素という有害な物質になる。活性酸素の中で最も傷害力の強いものが
フリーラジカルだ。
私が研修医だった平成初めは脳梗塞急性期の患者さんにマスクや鼻カニューレで
高濃度の酸素を与えることがルーチンだった。
1999年（平成11年）、ノルウェイの研究施設から出た論文はそれまでの常識を
覆した。脳梗塞急性期に高濃度の酸素投与すると死亡率が高くなるという。
http://stroke.ahajournals.org/content/strokeaha/30/10/2033.full.pdf
高濃度の酸素は脳梗塞を改善しないばかりか、フリーラジカルを大量に発生させて、
脳をさらに痛めつけるということだ。フリーラジカル自体は自然界に存在している
のだが、通常は微量なので問題にならない。しかし高濃度の酸素で生じる
大量のフリーラジカルは危険ということだ。
http://stroke.ahajournals.org/content/strokeaha/30/10/2033.full.pdf
http://stroke.ahajournals.org/content/34/2/571
http://jamanetwork.com/journals/jamaneurology/fullarticle/791404
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