ゲシュヴィント症候群

ゲシュヴィント症候群は別名 「感覚・辺縁系過剰結合症候群」とも
言われ、過剰書字(たくさん文章を書かずにいられない)、過剰な
宗教性、道徳性、真面目さ、過度の粘着、過大な情動などいくつかの
特徴を示し、しばしば天才的な才能を示す。
側頭葉てんかんと関連づけられて語られることが多く、
病跡学では画家ゴッホ、作家ドストエフスキー博物学南方熊楠
などは側頭葉てんかんに伴うゲシュヴィント症候群だったと
いわれているが、疑問視する向きもある。近年、ゲシュヴィント症候群
自体を懐疑的にみる意見もある。
ゲシュヴィント症候群は心理学の仮説としてはありかもしれないが、
安易に実際の診察に取り込むのは注意を要する。
側頭葉てんかんは一括りにできるものでなく、
多種多様な症状があり、個人差が大きい。
非専門医が不十分な検討で側頭葉てんかんと短絡的に
診断してしまうことは軽率であり、忌むべきだ。
ひとりひとりの症状、脳波、血液検査を医学的に分析していく
ことが重要で、そこに先入観、偏向が介在してはいけない。
ゲシュヴィント症候群という用語自体が廃れつつあるだけになおさらだ。

医療法人雄翔会 いまむら脳神経クリニック
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