高血圧・生活習慣病

糖質制限と老化

東北大学大学院の農学研究グループは 炭水化物を減らした食事を長期間続けると、 高齢になってから老化が早く進み、 寿命も短くなる危険性があることを発表した。 マウスを使った動物実験でヒトにそのまま あてはまるかは考慮する必要があるが 糖質を制限す…

高血圧と塩分

アメリカの高血圧専門医ダール博士は1960年(昭和35年)、 疫学調査に基づき、高血圧の主原因は塩分であると主張した。 現在では塩分には感受性に個人差があり、塩分だけに原因を 求めなくなっている。 ダール博士は日本でも調査を行い、東北地方が南九州よ…

理想の筋肉温度

急に寒くなってきた。 寒くなると血管が収縮し、血圧が上がり気味になる。 体の代謝率も下がるので、動くのがおっくうになる。 軽い運動、ストレッチは体温を上げる。 体温が1℃上がると代謝率は13%上がる。 ストレッチ、運動などでウォームアップして 体温 …

食塩非感受性高血圧

高血圧と塩分の関連は広く知られており、 塩分控えめ食品は巨大産業となっている。 しかし塩分と無関係の高血圧がある(食塩非感受性高血圧)。 平成7年(1995年)、東京大学医学部 藤田敏郎教授は 日本人の高血圧患者さんの半数は塩分と無関係の高血圧 であ…

長生きとダイエット

ダイットと健康の関係は難しい。 2009年に東北大学が宮城県民10万人を 対象とした疫学調査で40歳の時点で 小太りなヒトが一番長生きという結果が出た。 最近の高須クリニック 高須院長の話も面白い。 個人差あるので一概に言えないが、 無理なダイエットは長…

健康診断・血液検査の基準値

健康診断・血液検査で検査データの95%が含まれる成人の範囲を 抽出して平均化した数値が基準値である。基準値は平均値であり、 正常値ではない。基準値を外れていても異常と断定できない。 すこしでも基準値から外れていたら異常と決めつけて薬を 服用させ…

受動喫煙対策

厚生労働省の受動喫煙対策で「すべての飲食店を原則禁煙」とする 法案を目指しているが、自民党が反発しているという。 自民党に限らず、政治家自身に喫煙者が少なくないのかもしれない。 私は煙草は嫌いだし、医学的に喫煙は短所しかない。 https://headlin…

世界高血圧デイ

今日は世界高血圧デイ。 血圧の管理は奥が深い。 そもそも高血圧の定義が変動する。 高齢者、脳梗塞既往でも変わってくる。 10年ほど前に血圧を下げる降圧剤で 新薬が次々と販売された時期もあった。 一通り使ってみたが、長所短所ありだ。 脳神経領域では昔…

トランプ大統領の食生活

米国トランプ大統領はゴルフ以外の運動を一切せず、 食事もファストフード中心で野菜は食べない。 アメリカ人は敬虔なヴェジタリアンが存在する一方、 通常の野菜は食べず、フライドポテトやピザのトマトソースを 「野菜」であると主張するアンチ・ヴェジタ…

目の前が真っ暗に

目の前が真っ暗になるというのは絶望の比喩表現だが、 絶望などしていないのに一時的に目の前が真っ暗になる症状の場合、 若い人は立ちくらみ、中高年は脳梗塞の前段階を疑う。 立ちくらみには貧血、自律神経障害、起立性低血圧、片頭痛、てんかん など多く…

痛風と飲酒

痛風は尿酸という物質が過剰になることで生じる。 拇指を中心に激痛を伴う。尿酸の二割はプリン体という 物資から、八割は糖質(特に果糖)から生成される。 痛風は動脈硬化を促進するので、脳血管障害(脳梗塞、脳出血)が 起きやすくなる。 痛風の大きな原…

60歳以上の血圧

高血圧の基準は難しい。年齢、持病、個人差で左右される。 特に高齢者は難しい。一時期「血圧は低いほど良い」と 降圧薬の服用を高齢者にも安易に処方する風潮があり、 副作用が問題となった。 脳神経クリニックに高齢者が、ふらつき、めまい、頭痛、失神で …

寒さとホルモン

寒いと脳は副腎と甲状腺にホルモンから分泌させて寒さに対抗しようとする。 副腎皮質刺激ホルモンと甲状腺刺激ホルモンだ。 これらのホルモンの分泌が不十分だと低体温症となる。 低体温症になると自律神経など生命の維持機能が働かなくなり死亡する。 いま…

白衣高血圧と仮面高血圧

白衣高血圧とは病院で血圧を測ると病院以外で測定した 自由行動下血圧よりも高くなる現象で、病院で緊張することが 原因と考えられている。逆に診察室では血圧が正常なのに 自由行動下血圧が高くなる場合を仮面高血圧という。 仮面高血圧症は中高年の16%に見…

水銀血圧計

医学生の頃の実習で水銀血圧計の使い方を教わった。 ひと昔前、水銀血圧計は血圧測定の主流だったが、 私はあまり好きになれなかった。聴診器を用いた 聴診法は計測者による精度の問題があり、また 測定結果を患者さんに数字表示で見せられない。 そのためデ…

高感度CRP

CRP(C反応性蛋白)とはヒトの組織の炎症の状態を 調べるのに古くから用いられてきた。 以前の正常値は0.5mg/dL以下であり、小数点1桁までが 示されていたが、十数年前から小数点3桁まで 測定する高感度CRPが実用化されてきた。 保険適応の問題などあり、安…

40年前の食事

東北大学大学は40年前の食事を再現して 92人(軽度肥満者60人+健康な人32人) に4週間食べてもらった。 その結果、糖尿病、高コレステロール血症 などの生活習慣病が改善した。 予想通りの結果だが、大豆、魚、野菜、果物、 海藻、きのこ、緑茶など多種の食…

突然死とミネラル

突然死の多くは心筋梗塞、クモ膜下出血、肺塞栓が原因で、 いづれも血管の病気だ。マグネシウム、カルシウム不足が 発病の引き金のひとつだ。生活習慣病の管理に加えて マグネシウム、カルシウムといったミネラルの適切な 補充がポイントだ。 いまむら脳神経…

頭痛と高血圧

頭痛は高血圧で悪化することが報告されている。 そういう観点から血圧の管理は頭痛の治療のひとつでもある。 「高血圧の人が減塩すると頭痛も減った 」 https://medley.life/news/item/5735756b6f64f0d5008b491c?utm_source=MEDLEY%E3%83%8B%E3%83%A5%E3%83%…

悪玉・善玉コレステロール

コレステロールは悪玉のLDLと善玉のHDLがある。 悪玉のLDLが高いと脳梗塞、心筋梗塞の危険性が高まる。 そのためスタチン製剤という治療薬を用いるが、 なかには悪玉LDLが正常なのに脳梗塞、心筋梗塞を 起こすことがある。そういう場合、しばしば善玉HDLが …

糖質制限ダイエットと悪玉コレステロール

通常のダイエットでは体重と悪玉コレステロールの両方が減少する。 それに対して、糖質制限ダイエットでは悪玉コレステロールが増加する ことがノルウェー・オスロ大学から報告された。 悪玉コレステロールの増加は脳、心臓の病気を惹き起こし易い。 日本で…

三次喫煙

タバコを吸っている本人が煙を吸い込むことを一次喫煙、 他人が吸っているたばこの煙を吸ってしまうことを二次喫煙 (受動喫煙)という。どちらも重大な健康被害をもたらす。 最近、タバコの煙が染み付いた服、髪の毛、家具、カーテン からも何週間〜何か月…

糖質制限ダイエットと急死

タレント 前田 健 氏が急死した。享年44歳。 糖質制限ダイエットをしていた芸能人が 突然、心肺停止を起こしてそのまま亡くなった。 もともと不整脈の持病があり、手術予定だったが、 直接の死因は急性虚血性心不全と公表された。 糖質制限ダイエットの第…

エコノミークラス症候群(静脈血栓塞栓症)

長時間座りっぱなしだと足の静脈に血の塊(血栓)が 生じて起きる病態を静脈血栓塞栓症という。 飛行機内、列車内で長時間同じ姿勢を取り続けて いると起きやすいのでエコノミークラス症候群とか ロングフライト症候群といわれる。 肺に飛んでいき、血管を詰…

悪玉コレステロール(LDL-C)の新薬

LDL-Cは低比重リポたんぱく質とコレステロールの複合体で 過剰になると動脈硬化の原因となるため悪玉コレステロール とされる。たいていはスタチン製剤という薬で治療できるが、 時に手ごわいことがある。そういう場合、PCSK9阻害薬という 新薬が効果がある…

高血圧と食塩

高血圧には、塩分の影響を受けやすいタイプ (食塩感受性高血圧)とそうでないタイプ (食塩非感受性高血圧)がある。 日本人では食塩感受性高血圧が20%、 食塩非感受性高血圧が50%であり、 残り30%は中間だ。言い換えると 塩分控えめにしても20…

適度なお酒は体にいいのか?

適度な飲酒は体にいいというのが通説だった。 しかし、カナダ ビクトリア大学ストックウェル博士らの研究で 適度なお酒と健康であることは何も関係ないと報告された。 まあ、そうなのかもしれない。 Tim Stockwell et al Do“Moderate Drinkers Have Reduced …

痛風の痛みが悪化したら

痛風の痛みが悪化した場合は、痛み止め(消炎鎮痛剤)を 多めに服用する。痛風の原因は尿酸という物質が溜まることだが 痛みが激しいときに尿酸を下げる薬を不用意に開始すると 症状がかえって悪化する。 いまむら脳神経クリニック公式ホームページ 病院口コ…

痛風と神経痛

痛風の症状は足の親指周囲の痛みだ。 坐骨神経痛(腰椎椎間板ヘルニアなど)も 同じような症状が出る。 痛風と神経痛が合併することも珍しくない。 いまむら脳神経クリニック公式ホームページ 病院口コミサイト(鹿児島県) ネット予約24時間受付。 診察は…

LDLコレステロール

LDLコレステロールは動脈硬化を促進させるため、 悪玉コレステロールといわれる。 LDLコレステロールが基準値より高い場合を 高コレステロール血症という。 数年前にはLDLコレステロールは低いほど良い、 ゼロでもかまわないとまで極言した内科医が いたが、…